楽笑会 つれづれのページ

このページでは、日頃感じたことや気づいたことなどを
特にテーマを決めずに
書いていこうと思います。


  ようこそ
 楽 笑 会
 

つれづれ 2004年
総会の思い出(3)課題の分離子どもたちへの伝え方明るく軽く
リーダーの練習日常のひとこま15歳の誕生日私にできること
夫婦二人でトラブルになる時体験から学ぶ









12月
体験から学ぶ

10月の末から12月半ばにかけて、豊岡の
「パセージ」に行っていました。サブリーダーさんも入ってくださり、また、あちらこちらから、たくさんの仲間が応援に来てくださいました。(「パセージ」は一般財団法人野田俊作顕彰財団 Adler Institute Japanの商標です。)

久し振りにリーダートレーナーにコースを見ていただくこともできました。ちょっとドキドキして、緊張もしたのですが、よくぞ見ていただいたことだと、今は思えます。

メンバーさんたちと、丁寧につきあうというのはどういうことなのか、身をもって分かった気がしています。実際にコースをして、それをネタに(と言うと変ですが)、ああでもない、こうでもないと、皆さんで話をしてもらうと、「言葉で学ぶ」よりもっと「体験から学ぶ」ということを実感できます。

また、コース中だけでなく、あとのシェアリングの中でも、
「パセージ」の雰囲気を身体で感じることができました。どうしても頭でっかちになってしまう私ですので、こういう「体験から学ぶ」というのは、とても貴重なことだと思えます。皆さんの協力があってこそのコースだと、つくづく感じることができて幸せでした。参加してくださったメンバーさんをはじめ、お世話になった皆さん、本当にありがとうございました。












11月
トラブルになる時

誰かとトラブルになる時、ひょっとしたら私たちは自分の都合だけを考えているのかもしれません。

例えばきょうだいが2人とも風邪をひいてしまい、病院へ行くことになったとしましょう。下の子は「すごいしんどいから、今すぐ行きたい」と言います。この時点で私が親なら、2人を同時に病院へ連れて行ければラクだなと考えるでしょう(私の都合)。そこで、上の子に「今から行くよ」と声をかけます。

上の子もすぐに行こうと思っているのなら、何も問題はないのですが、もし、あとで行こうと考えていたとしたら、ここでトラブルになる可能性があります。上の子には、例えば、友達との約束があったのかもしれませんし、あるいは、見たいテレビ番組があるのかもしれません。または、今のうちにしておかなければならないことがある可能性もあります。

さて、上の子が「今はいやだ。後で行きたい」と言ったらどうしましょう。「そんなこと言わないで!今すぐ行くのよ」はアドレリアン母さんとしてはマズイですね。まずは「話を聴く」でしょうか。そして、「目標の一致」ができるように話し合います。

上の子の年齢にもよりますが、ひょっとしたら「病院には一人で行ってもいい」と言ってくれるかもしれません。あるいは、「そんなにしんどくないから、様子をみる」というかもしれませんね。話し合いの次第によっては、譲歩してくれて一緒に行ってくれるかもしれません。

こういう時に怒りの感情を使わないで、落ち着いて話ができるといいなと思います。(でもなぁ~~、なかなか、そう教科書どおりにうまくは行かないこともあるんですよねぇ……ぶつぶつ)












9月
夫婦二人で

このあいだ、塾のある生徒さんが「私なぁ、先生が夫婦ですっごい仲良く歩いてるのんを見てんでぇ」と別の生徒さんに言いました。その場にいた私は、「そりゃあね、せっかく夫婦になってんから、仲よくせなね(しないとね)」と言いました。すると、その生徒さんは「うちのお父さんとお母さんは、あんなに仲良くないで」と言います。

私は子どもがいないので、夫婦になった時から、その関係はあまり変わっていません。でも、多くの場合は、夫婦になって、そのうち子どもが(1人か2人か3人か)やってきて、しばらくすると、また1人2人と家を出て行き、最後は夫婦だけに戻るんですよね。1人増えるごとに、また、1人減るごとに、家族の関係は少しずつ変わっていくのでしょう。

さて、楽笑会も長く続けていると、そろそろ夫婦だけの暮らしを始める方が出て来ます。その時に、子どもから夫(あるいは、妻)へうまく関心を移さなければなりません。いわゆる子離れ、ってヤツですね。それができないと、子どもにはうっとうしがられ、夫(妻)には寂しがられ、ということになるのでしょうか。

初めて出会ってから、食事に行ったり、映画に行ったり、そういうことをして少しずつ関係を深めていった恋人時代を思い出して、また夫婦二人だけで食事をしたり映画を見たりしながら、新しい「夫婦だけの関係」をこしらえていくのも楽しいかもしれません。子どもが小学校に上がれば、ぼつぼつ始められそうです。

子どもと暮らす時間より子どもが巣立ってからの方がひょっとしたら長いかもしれない昨今。1ヶ月に1度でも、「夫婦二人でデート」って、何だか素敵だと思うのですが、いかがでしょうか。












8月
私にできること

例えば、学校の先生がクラスのことで、困っていたとします。今までの担任のしつけがなってなかったよなぁ。前の担当の先生とはやり方が違うからなぁ。生徒たちのやる気がもうちょっとあったらなぁ。こちらの指示どおりにきちんと勉強してくれたらなぁ。上司がもうちょっと理解してくれたらなぁ。無理なことを言う保護者が増えているなぁ……。

まぁ、思うようにいかないことや、不満はいくらでも言えますし、実際にその通りかもしれません。でも、これらのことを楽笑会に参加して訴えても、「悪いあの人、かわいそうな私」をしているのかな?と言われてしまいます。

確かに、学校の現場には、そういうことがあると思います。でも、そう言って嘆いていても何も解決しません。楽笑会のようなフォローの会では、「実情はよくわかりました。ところで、あなたには何ができますか?」と問われます。

どんなに無理解な上司がいても、どんなにやる気のない生徒たちがいても、どんなにひどい保護者たちがいても、それでもなお、私にはできることがあるんですね。それを探すお手伝いをするのが、楽笑会(自助グループ)の役割かなと思っています。

厳しいといえば厳しいですが、見方を変えると、これはとても嬉しいことだと私には思えます。だって、いつも「私にできること」があるからです。子どもたちと今より少しだけ仲良くなる方法を見つけてみるとか、少しだけ授業の方法を変えてみるとか、子どもたちと遊んでみるとか、今までは口頭で説明していたのをプリントにして配ることにするとか、懇談会の回数を増やしてみるとか、、、。

「私にできることは?」といつも考えることは、厳しいけれど素敵なことですよね。(と、いつも自分に言い聞かせる毎日です)












7月
15歳の誕生日

楽笑会ができてから丸15年が経ちました。15歳というと、人間ならもう高校生でしょうか。思えば長い間やってきたんだなぁと感慨深いものがあります。全くの私利私欲で始めた楽笑会がこうやって長い間続いて来たのも、その時々のメンバーさんたちの支えがあったからこそだと思います。本当にありがとうございました。

会を立ち上げて以来ずっとメンバーで居続けてくださった方が、お祝いのハガキ絵を描いてくださいました。(彼女は私のハガキ絵の「師匠」でもあります)それが右の絵です。素敵だったのでご紹介します。

15年の間に、メンバーになってくださった方は340名に上ります。また北海道から沖縄まで全国各地の方々がいらっしゃいました。発足当時17名だったのが1年後には37名に増えました。10年が経った時、初めて100名を超えました。2000年からはアドラーネットにも楽笑会だよりをアップするようになり、徐々におたよりの送付を減らしてきました。それで今年は10名余りの方に送付することとなっています。

いつもテキストに戻ること、勇気づけ合うことをモットーに、「楽しく」「笑いながら」会を続けて行こうと思っています。これからも、どうぞよろしくお願いします。












6月
日常のひとこま

6月に参加したポントクラージュ(フォローアップの会)で、「正の注目」について話題になりました。「適切な行動探し」といっても、なかなか難しいものです。

ここで、おもしろい方法が提案されました。
「パセージ」の課題シートを書く時や、「適切な行動探し」のノートをつける時などには、ちょっと億劫な感じがあるのですが、そうではなくて、日常の何気ないひとこまを切り取って書いてみてはどうだろうか、と言うのです。例えば次のような具合です。(「パセージ」は一般財団法人野田俊作顕彰財団 Adler Institute Japanの商標です。)

【(私のつとめている塾での出来事)「こんにちは~」とS君がやって来た。「ハイ、こんにちは」と私。「センセイ、あんな、宿題のここは出来てんけど、これ、わかれへんかってん」「ふ~ん」「それでな、後で、ちょっと説明してほしいねんけど」「そうなんや。ほんなら、授業の時に説明するね」「わかった」と言って、教室へ行く。】

S君は、こうやってよく質問をしてくれるのですが、授業中は私が他の生徒さんの相手をしていても、そういうことをあまり気遣うことなく、割と頻繁に聞いてきます。時には、授業とは全く関係のないことを質問したり、おしゃべりをしたりすることもあり、「ちょっと困ったな」と感じている生徒さんの一人です。上に書いたやりとりも、実際に会話をしている時には、私の感情はプラスではありませんでした。どちらかというと、「なんか不適切やわ」と思っていたのでしょう。

でも、こうやって改めて文章にしてみると、「不適切」どころか、とても「適切」であることに気がつきます。ちゃんと自分でわからない所の説明を聞こうとしていますし、それ以外は自力でしてきているのです。しかも、その場で教えてと言わずに、授業中に説明を求めています。

というようなことに気づくと、授業中にいろいろと質問されることに対しても、少しイメージが変わって来ます。この「イメージが変わる」ということが、大切なような気がします。日常のひとこまを切り取るのは、「正の注目をする」(気づいたことを言葉にして相手に伝える)ためではなくて、自分の中のイメージを変えるためなのではないかと私には感じられました。

イメージが変われば、次に相手と話をする時に、こちらの態度や構えや、言葉がけの口調などが少~し変わるかもしれません。そうすることで初めて、心の底からわき出てくるような「正の注目」ができるかもしれない、という話になったのでした。












5月
リーダーの練習

楽笑会では、2002年4月より、リーダー養成講座を受けた方に練習していただく時間を作っています。その回に参加されたメンバーさんたちのご協力を得て、
「パセージ」のどこか1ページをリーダーになって進めてもらっています。だいたい30分ぐらいの時間で終わりますので、そのあとは、メンバーさんたち皆で、シェアリングをします。

リーダー養成講座を受けている最中は、参加者はリーダーを目指している方ばかりですし、「みんなで合格しようね」と一致団結して協力し合いますので、少々ギクシャクしても、何となくコースが進んで行くことがあります。

しかし、楽笑会では、本番の
「パセージ」コースにうんと近い雰囲気ですので、ちょっとした言葉の使い方や、指示の仕方によって、メンバーさんたちの動きが止まってしまうことがあります。そういう生(なま)の体験が、リーダーの卵さんたちにとっては、とても貴重なものとなるようです。

また、私自身にとっても、もう一度
「パセージ」のマニュアルを見直すきっかけになったり、普段のコースの中ではメンバーさんたちに聞きにくいことも、この場では聞くことができたりして、次にコースをする時の参考にさせていただくことがたくさんあります。どういうふうにすれば、メンバーさんたちを勇気づけることができるか、正しいアドラー心理学を伝えることができるのか、こちらの方も日々、修行が続くのですねぇ。

(今も練習受け付けています。でお問い合わせください。また、地方のリーダーさん、リーダーの卵さんで練習したい方もご相談くださいね。もし、リーダーさんが何人か集まったら、いろいろなページをひとつのエピソードで進めてみる、というような練習をしてもいいなと考えています)(「パセージ」は一般財団法人野田俊作顕彰財団 Adler Institute Japanの商標です。)












4月
明るく軽く

例えば、仕事で嫌なことがあって、イライラしたまま家に帰ったとします。お腹も空いていたり、体調も悪かったり、そんな時に、家族がちょっと気に入らないことを言ってきました。普段なら、何でもないことなのに、突然ムカッとくることってありません?

「なんで、そういうことを言うかなぁ!」と、嫌味のひとつも言ってしまってから、あぁ、これは今の言葉にイライラしてるんじゃないなと分かることがあります。もし、ここでちょっと立ち止まって考えることができたら、それ以上、相手との距離を遠ざけるようなことを言わずに済むかもしれません。

まず、その場を離れてみましょうか。そして、「お腹が空いてるんやね」とか、「今日仕事しんどかったもんね」とか、あるいは、「身体の調子が悪かったのにがんばってたよね」とか、まずは自己勇気づけ!!

それから、「マイナスの感情がなくなる工夫をするんやったなぁ」と、テキストの言葉を思い出して、何ができるかつらつらと考えてみます。どういう言葉だったら、かけられるかなぁ?しかも、明るく軽くがいいよね。今はご飯の支度の最中だから、「今日はこれを食べる?」ということなら聞けそうかしら?それとも、「今日はビール飲む?」だったらいいかなぁ?

そうして、なるべく明るい声で、なるべく軽い声で、ひとこと言ってみると、あ~ら、不思議!自分のその声に、何となく気分まで軽くなったのでした。・・・えっ?これって、あなたのことかって?--はい、ご明察。私のある日の出来事だったとさ・・・・・・おしまい。












3月
子どもたちへの伝え方

私たちは子どもを育てていく時に、いろんなことを伝えたいと思います。それは、自分の価値観だったり、好みだったり、あるいは少し大仰ですが「日本の文化」だったりします。さて、それをどうやって伝えたらいいのでしょうか。

伝え方を考える前に、私たち自身は、親や先生や周りの大人たちから、いろんなことを教わってきました。それを、ちょっと思い出してみるのはどうでしょうか。「教えてもらって従ったこと」と「教えてもらったけど従わなかったこと」があると思います。

「従ったこと」について、何故自分は従う気になったのか。「従わなかったこと」について、どういうふうにしてもらったら従う気になったか。それを考えてみます。そうすると、今度は大人として、どういうふうにすれば相手(子どもたち)に伝わり易いかということが見えてくるかもしれません。

先日参加した丹後の講演&ワークで、みんなでこんなことについて考え、話し合いました。各グループで出てきたことを発表したのですが、
「パセージ」を受けた人の方が少なかったにもかかわらず、ほとんどが「パセージ」のテキストに書いてあるようなことばかりで、感動しました。やっぱり「パセージ」はすごい!!(「パセージ」は一般財団法人野田俊作顕彰財団 Adler Institute Japanの商標です。)












2月
課題の分離

アドラー心理学を勉強して、最初にへぇぇ~と思うのが「課題の分離」という考え方かもしれません。でも、楽笑会を長年やってきて、「また課題の分離の話ぃ?」と思うことが度々あります。奥が深いんやなぁと思わないではいられません。

「誰の課題か?」と考えることは、とても大切なことだと思います。「結末が誰にふりかかるか」と言い換えることもできるし、「このお仕事は誰が責任をとるのか」と言ってもいいかもしれません。そうやって、今起こっている出来事が誰の課題かを考えて、それから、どうすればいいか、の話をします。

ところが、最初のうちは、「これは私の課題じゃないわ」と、相手(子どもだったり、配偶者だったり、親だったりしますが)との関係を切ってしまう方向に動いてしまうこともあります。「私は関係ないのよ」というわけです。そうすると、相手は放り出された感じになり、冷たくされたと思い、かえって関係が悪くなってしまいます。

「課題の分離」は、家を建てる前の地ならしのようなものだと思うことがあります。前の家の廃材や瓦礫などは片付けて整地しておかないと新しい家を建てることができません。だからといって、「ハイ、きれいになったね」と言って放っておいては新しい家はいつまでたっても建ちません。「課題の分離」をするのは、家族が協力して新しい家を建てていく前の準備で、目標は「新しい家」なわけです。

時々点検をして、こういうこと(整地だけして放っておく)をしてしまっている自分に気づかないといけないな、と近頃思います。楽笑会で「課題の分離」の話題が出るたびに思ってるんやけどなぁ。なかなかなぁ……。












1月
総会の思い出(3)総会の思い出(1)と(2)は「つれづれ 2003年」にあります

翌年(1993年)の第10回総会は、京都でした。この年、初めて合宿形式がとられました。シンポジウムをする会場に宿泊することができました。前年までのように、みんながばらばらに泊って次の朝会場に集まってくるのと違って、夕食も一緒にとり、そのあと眠るまで、あれこれ話をすることができました。修学旅行のようで、3日間どっぷりと学会の雰囲気に浸りました。

この年は、シンポジウムが3つあり、印象深かったのは臨床のシンポジウムでした。カウンセリングの現場で、実際に行われている技法などが紹介されました。私が特におもしろいと思ったのは、パラドキシカルなカウンセリングでした。また、ちょっと「アヤシイ」技法の話もあり、今でも時々その時のことを思い出します。(詳しく書けなくてすみません)

この年以来、総会は基本的に合宿形式となりました。シンポジウムや講演、分科会などで勉強する以外に、アドレリアンの仲間たちと「その場を共有する」ということの素敵さに、すっかりハマってしまったのでした。